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トヨタアルミテープチューンアップ解析~(1)トヨタの言い分と私の疑問

常吉

トヨタのアルミテープチューンの真贋についてはこれまで運転した人の感覚だけで議論されてきたので、何とか定量的に物を言いたいと思い、まずは静電気計を使って帯電と除電の有無を調べてみることにしました。

トヨタが何を言っているかを簡単に言うと、(特許的には正確性を欠く表現になります。)
(1)車両の外板部にアルミテープを貼っておくことにより、走行中に帯電した正の電荷が除去され、それよって走行中の車体と空気の境界層の剥離が軽減されて回頭性、操縦性、加速性などが向上する。(特開2016-124319、86KOUKI発表時のプレゼン資料)
(2)ステアリングコラムの下部等にアルミテープを貼ることにより操舵系に帯電している正の電荷が除去され、それによって部品間にある潤滑剤の粘性上昇を抑えることができ、その結果車両の操縦性や走行安定性が向上する。(特開2016-049880)
(3)エンジンに付属する絶縁部品にアルミテープを貼ることにより帯電した正の電荷が除去され、吸入空気量が増えて出力が向上する。(特開2016-125398)

その他、あっちに貼ってもこっちに貼っても効果があるという触れ込みの特許いくつもが公開されています。

以下私の疑問です。
調べ始めて最初に目に飛び込んできたこの絵の印象が悪かった。なにこれ?
T7GI6629.jpg

言いたいことや気持ちはよく分かるのですが、空気の速度ベクトル(直線で描れている矢印)と流線(曲線で描かれている矢印)が何の説明もなくごっちゃに描かれているとても稚拙な図です。本来は各地点上の速度ベクトル分布を描いて境界層剥離を表現すべきです。左右二つの現象の違いを説明するのにこんな図しか書けなかったエンジニアの発明じゃそもそもなぁって印象をまず受けました。

他にも「箱型のような空力的に良くない車の方が効果が大きい」という説明が車雑誌とエンジニアとの対談にあったのですが、その根拠が全く分かりませんでした。静電気に関してはズブの素人の私には分かりませんが、空力が悪い方がクーロン力が余計に働くという理論でも存在するのでしょうか?このエンジニアの頭には「帯電は車体と空気がこすれ合って起きる。従って空力の悪い車は帯電量が多くなる。その分除去した時の効果が大きくなる。」という勘違いがあってそんな事をつい口にしたのではないかと邪推したくなります。表に出てくるまとめ役のエンジニアなんて往々にしてそんなものですし、そんな枝葉末節を知らなくてもいいのです。

そもそも空気は帯電列の一番左に位置しているので空気とこすれ合って正に帯電する材料はありません。(特許にも「空気とのこすれ合いで」とは一言も書かれていません。)
img_01_05.png

では車体はいったい何とこすれ合って正に帯電しているのでしょうか?
そして正に帯電した絶縁体にアルミテープを貼っただけで本当に除電などできるのでしょうか?いろいろな製造現場や機器において静電気に悩まされその除去に様々な工夫がなされている中、そんな簡単な事で除電できるなどということはにわかには信じられません。そしてそのメカニズムはどういう物なのでしょうか?

そんな疑問や印象を持ったのでこの技術に対して懐疑的でしたが、やってみない事には話が始まりません。

実験項目
①静電気計取扱い習熟(ダイソンサイクロンクリーナーを使った静電気計測とアルミテープによる除電効果確認)
②実際に走行によって車体外板(絶縁物)は正に帯電するのか?
③アルミテープを貼るとその静電気はどの程度除電されるのか?

そんな事を中心に現在資料調査や実験を進めています。


   




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Posted by常吉

Comments 4

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t34hayabusa  
続報が楽しみです!

僕も、
色々な自動車雑誌で、
この事が取り上げられて、
その根拠を読んでも
何だか、
むず痒くなっていました。

ある記事では、
ケチケチのトヨタが、
量産車に採用しているから、
効果は必ずあるはずと・・・
これじゃあ、
説明にもなりません。

こんな疑問の解消をして頂ける
今回の実験、
本当に楽しみです。

PS.静電気は比表面に溜まります。
従って、空気抵抗の大きな形状は、
空気抵抗の小さな形状より、
比表面積が大きいので、
物理的に帯電量が大きくなると、
仮説を立てられます。

2020/06/01 (Mon) 23:21 | EDIT | REPLY |   
常吉  
To t34hayabusaさん

ありがとうございます。
私もムズムズしていたところです。
出力や燃費を個人で定量化するのは設備的に無理なので手を出さずにいたのですが、静電気計をお借りすることができたので測定を思い立った次第です。実験は進んでいるのですが、いろいろ考えながらやっているので公表はもう少しお持ちください。

比表面積の件、さすが!一つ知識が増えました。
ただ、帯電量が増えるというのは電位が上がる(負なら下がる)ということでしょうか、それとも電圧は変わらずに電気量が増えるイメージなのでしょうか?素人質問で申し訳ないです。

2020/06/02 (Tue) 20:13 | EDIT | REPLY |   
t34hayabusa  
お返事します。

常吉さま
>ただ、帯電量が増えるというのは電位が上>がる(負なら下がる)ということでしょう>か、それとも電圧は変わらずに電気量が増>えるイメージなのでしょうか?

トヨタの主張の通りならば、
帯電量が増えることになると思います。
マイナス帯電ならば、
マイナスの電荷が増えます。

帯電量の測定は、
部分的には電位計で測定できますが、
車のボディー形状を加味すると、
測定箇所や面積(例、パネル1枚)など、
考慮する必要がありそうです。

2020/06/03 (Wed) 09:35 | EDIT | REPLY |   
常吉  
To t34hayabusaさん

トヨタの主張通りならそう言う事ですね。
ご指摘の形状考慮ですが、それは難しいです。
トヨタ自体も部分部分の静電気測定で物を言っているようです。

ここ数日実験が滞っていましたがまた再開します。
定量化だけではなく、友人の協力を仰いでブラインドテストを考えていますが、そこまでやるとやりすぎなような気も。

2020/06/05 (Fri) 00:35 | EDIT | REPLY |   

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